セント・ジョーンズ・ワート

セント・ジョーンズ・ワートで相互作用に気をつける薬

強心薬(ジキタリス製剤)・抗不整脈用薬・抗凝血薬・喘息治療薬・女性ホルモン薬・経口避妊薬・乳がん、前立腺がん治療薬・抗てんかん薬・免疫抑制薬

アレビアチン、ジゴシン、テオドール、テグレトール、ネオフィリン、フェノバール、プロノン、ラニラピッド、リスモダン、ワーファリン、など

一緒に飲むとどうなるの?

体の中での薬の分解が亢進されて、薬が早く分解排泄されてしまうので、薬の効き目が充分に発揮されないことがあります。

どうして?

セント・ジョーンズ・ワートは日本名をセイヨウオトギリソウといい、主にヨーロッパから中央アジアにかけて分布している多年生植物です。ハーブ製品の1種として日本でも健康食品として多数販売されています。ここで取り上げた薬とセント・ジョーンズ・ワートを一緒に飲むと薬の効き目が充分に発揮されないことがあります。
薬は消化管から吸収され体の中で効き目を発揮した後に、分解され別の成分に変化してその効力を失い、胆汁や尿に混ざり体外に排泄されます。ここで取り上げた薬は小腸や肝臓にあるチトクロームP450という酵素が分解にかかわっています。セント・ジョーンズ・ワートには、チトクロームP450が薬を分解する作用を活発化する成分が含まれています。ですから、セント・ジョーンズ・ワートとこれらの薬を一緒に飲むと薬の分解が亢進されてしまい、薬の効き目が充分に発揮されないことや、薬が効いている時間が短くなることがあります。

どうすればよいの?

気分を落ち着かせたり、リラックスしたい人にすすめられるハーブ、お茶、食品には、セント・ジョーンズ・ワートを含んでいるものがあります。摂取している食品に、セント・ジョーンズ・ワートが含まれているかどうかを表示やラベル等で確認してください。また、セント・ジョーンズ・ワートを含む食品を摂取している方は、医療機関に受診する際にはそのことを伝えましょう。

基本的には、なにか医薬品を服用している場合には、セント・ジョーンズ・ワートとの併用は避けることをおすすめします。

*セント・ジョーンズ・ワートの主成分であるピペリシンは、日光との反応によって皮膚炎を起こしたりする光過敏症の原因になることがありますので、セント・ ジョーンズ・ワートの使用中は、日焼けに注意することも必要です。

*薬とハーブ類を併用する際の注意点
現在までに、厚生労働省が相互作用が起こり得るとして、注意を呼びかけたハーブはセント・ジョーンズ・ワートのみであり、また薬とハーブを併用したことによって、重大な事態が生じた例は報告されていませんが、セント・ジョーンズ・ワート以外のハーブでも、理論的には薬との相互作用が起こり得る可能性があるため、医療機関にかかる際には、どんな種類のハーブを服用しているかを医師に伝えておくと安心です。

*重大な事態の報告はされていないが、薬との併用によって相互作用の可能性のあるハーブ例

  • アンゼリカ
  • アシタバ
  • 山人参
クマリン誘導体を含むハーブは、抗凝血薬の作用を増強する可能性がある。
  • ナツシロギク
ナツシロギクには血小板凝集阻害作用があり、抗凝血薬等の作用増強の可能性がある。
  • ネギの仲間
  • ガーリック
  • タマネギ
  • 行者ニンニク
血小板凝集阻害作用のあるネギ属のハーブは、抗凝血薬の作用を増強する可能性がある。
  • ショウガの仲間
  • ターメリック
  • ウコン
ショウガは、抗凝血、血小板阻害作用を持ち、抗凝血薬等の作用を増強する可能性がある。
ウコンの成分であるクルクミンには、血小板阻害作用がある。
  • 朝鮮人参
服用する薬によって、血中濃度を上げたり作用を阻害する可能性がある。
  • カバ
同様の作用のメカニズムを持つ薬との相互作用により、鎮静作用の増強による無気力を生じる可能性がある。
  • イチョウ葉
血小板凝集阻害作用を持つので、薬との相互作用により増強し、点状出血・紫斑を生じる可能性がある。
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